建設業キャッシュフローナレッジ

建設業の原価管理とは?4つの原価・実行予算・完成時利益の計算

材料費・労務費・外注費・経費を工事別に管理する方法を解説。実行予算と実績の比較表、未請求原価と残工事費の扱い、完成時予想利益の計算、現場と経理の運用手順を紹介します。

建設業の原価管理とは?やり方・項目・成功のポイントを基礎から解説
工事原価
公開日
更新日

建設業の原価管理は、工事ごとの予算と発生した費用、これから必要な費用を比較し、完成時の利益を守るための管理です。支払済みの請求書を集めるだけでは、まだ請求されていない外注費や残工事の赤字を見落とします。工事番号を共通にし、現場の進捗と経理の数字をつなげることが基本です。

工事原価の4項目をそろえる

項目

例

集める情報

材料費

資材、部材など

発注数量・単価、納品、返品、工事番号

労務費

工事に従事する自社従業員の賃金等

担当工事別の作業時間、社内で決めた配賦基準

外注費

協力会社への工事委託等

発注金額、出来高、追加変更、未請求分

経費

現場の機械賃借、運搬等

どの工事に帰属するか、共通費の配賦基準

具体的な勘定区分は自社の会計方針に合わせます。本社の販売費・一般管理費と工事原価を混同せず、同じ費用を複数現場に重ねて計上しないルールを作ってください。

実行予算と完成時予想原価を比較する

実行予算は、受注した工事を実際に進めるための原価計画です。見積書の金額を転記するだけでなく、施工数量、発注単価、人工、工程を確認します。完成時予想原価=発生済み原価+残工事費見込みです。

仮定例(単位:万円)

実行予算

発生済み原価

残工事費

完成時予想

材料費

300

220

100

320

労務費

150

100

70

170

外注費

300

200

120

320

経費

50

30

20

50

合計

800

550

310

860

請負金額が1,000万円なら、予算粗利益は200万円、完成時予想粗利益は140万円です。予算より60万円減る見込みなので、原価超過の原因を工事中に調べます。追加変更で請負金額が変わる場合は、合意状況を確認して収入側も更新します。

未請求の発注分を落とさず、二重計上しない

発生済み原価には、請求書が届いていない施工済み分も適切に見積もって反映します。未施工の発注残は残工事費へ含めます。「発注額全額+請求済み額」と足すと重複するため、発注・施工・請求・支払の段階を区別します。支払い済みかどうかは資金繰り側で別に管理します。

現場と経理で回す5つの手順

  • 着工前:工事番号を発行し、実行予算と担当者を登録する。
  • 発注時:数量・単価・金額・予定日を記録し、予算との差を確認する。
  • 施工中:作業時間、出来高、追加変更、未請求分を週単位で更新する。
  • 月次:経理の計上額と現場の見込みを照合し、完成時利益を再計算する。
  • 完成後:予算との差を数量・単価・手戻り等に分け、次の見積もりへ反映する。

原価管理と資金繰りをつなげる

同じ利益の工事でも、先払いが多ければ現金を長く立て替えます。原価の発生日とは別に、支払日と工事代金の回収日を持ちます。受注時には粗利益率と最大立替額を一緒に確認してください。

現場数が少なければ表計算でも始められます。入力漏れ、重複入力、集計の遅れが目立ったら原価管理システムの選び方を確認します。現金への影響は運転資金の計算と資金繰り改善で説明しています。

参考資料・確認日

公表資料の確認日:2026年9月25日。制度の利用可否や手続きは各公式窓口で最新の条件をご確認ください。

監修者

与

与謝君惠

代表取締役

  • 代表取締役

株式会社パラダイム設立