設備設計ナレッジ

CV・CVTケーブルの許容電流早見表|サイズ別の値・補正係数・計算例

600VのCV・CVTケーブルの許容電流を、サイズ別早見表と計算例で解説します。気中・暗きょ1条布設の適用条件、周囲温度による補正、CVとCVTの違い、電圧降下と合わせた選定手順をメーカー資料に基づいて整理しました。

CVケーブルの許容電流とは?サイズ別の考え方と補正係数の使い方を解説
electrical
公開日
2026年7月8日
更新日
2026年9月11日

CV・CVTケーブルの許容電流とは

CV・CVTケーブルの許容電流は、連続通電したときに導体温度が許容値を超えない電流の上限です。同じサイズでも、心数・布設方法・周囲温度・並べる条数によって変わります。サイズだけで判断せず、使用条件に合う表と補正係数を組み合わせて確認します。

この記事では、600VのCVケーブル3心とCVTケーブルについて、サイズ別の早見表、温度補正、負荷電流からの選定例をまとめます。幹線全体の検討は、幹線設計と電圧降下計算もあわせてご覧ください。

600V CV・CVTケーブルの許容電流早見表

適用条件:銅導体、気中・暗きょ布設(日射の影響なし)、周囲温度40℃、導体最高許容温度90℃、1条布設。CVは3心、CVTは単心3個よりの値です。数値の単位はA、サイズは導体の公称断面積mm²(sq)です。

サイズ(mm²/sq)

CV 3心(A)

CVT(A)

2

23

3.5

33

5.5

44

8

54

62

14

76

86

22

100

110

38

140

155

60

190

210

100

260

290

150

340

380

200

410

465

250

470

535

325

555

635

出典:フジクラ・ダイヤケーブル「電線・ケーブルの許容電流」の600V CV・600V単心より合せ形CVケーブルの表。矢崎グループ「600V-CV、CVD・T・Q」製品情報でも上記サイズの値を照合しています。資料確認日:2026年9月11日。

「—」は参照資料のCVT表に値が掲載されていないサイズです。表は供給・在庫を示すものではありません。CV 2心・4心、電線管内、地中の直埋・管路、多条布設、高圧ケーブル、アルミ導体、可とう性など仕様の異なる製品には、そのまま適用しないでください。

表の読み方:CV 3.5sqとCVT 38sqの例

上記条件のCV 3心3.5sqは33A、CVT 38sqは155Aです。CV 3.5sqでも2心と3心では値が異なるため、心数を省いた数値だけで選定しないことが大切です。気中・暗きょ布設と「気中の電線管内布設」も条件が異なります。

CVケーブルとCVTケーブルの違い

CVは架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルです。多心のCVは、複数の絶縁線心を一括してシースで覆う構造です。CVTはシースを持つ単心ケーブル3本をより合わせたトリプレックス形で、構造と放熱条件が異なります。

早見表の22sqではCV 3心が100A、CVTが110A、60sqではそれぞれ190A・210Aです。このように、同じ断面積でも許容電流は一致しません。CVTであれば常に小さいサイズへ変更できるとは限らず、電圧降下や端末・配線条件も確認します。

補正係数の使い方

周囲温度が40℃と異なる場合

早見表の値に、実際の周囲温度に対応する係数を掛けます。次の係数は、フジクラ・ダイヤケーブルの600V CVおよび単心より合せ形CVの気中・暗きょ布設の表に対応します。地中布設の土壌温度補正とは区別してください。

周囲温度(℃)

電流補正係数

20

1.18

25

1.14

30

1.10

35

1.05

40

1.00

45

0.95

50

0.89

温度補正後の許容電流 = 表の許容電流 × 温度補正係数

例えばCVT 22sqの基準値は110Aですが、周囲温度50℃では110 × 0.89 = 97.9Aです。負荷電流が100Aなら、この条件では22sqは不足します。次の38sqは155 × 0.89 = 137.95Aとなり、温度補正後の許容電流だけを比較すると100Aを上回ります。

多条布設・電線管内・地中布設の場合

複数のケーブルを近接して並べる場合は相互の発熱を考慮し、条数・段数・間隔に対応した値や低減率をメーカー資料で確認します。電線管内や地中布設では、その布設条件専用の許容電流表を選びます。

既に多条布設の条件を織り込んだ表へ同じ低減を重ねて掛けたり、絶縁電線用の係数をCV・CVTケーブルへ流用したりしないよう、表の注記まで確認してください。

負荷電流からサイズを選ぶ計算例

三相200V・入力50kW・力率0.9の場合

ここでは電気入力50kWの平衡三相負荷を例に、CVTケーブルを検討します。周囲温度50℃、日射の影響がない気中・暗きょ1条布設とし、多条布設による低減はない条件です。

負荷電流 I = P ÷(√3 × V × 力率)
Pは電気入力(W)、Vは線間電圧(V)です。50kWを50,000Wに換算すると、I = 50,000 ÷(√3 × 200 × 0.9)≒ 160.4Aとなります。

  • CVT 38sq:155 × 0.89 = 137.95A。160.4Aに届かないため不足します。
  • CVT 60sq:210 × 0.89 = 186.9A。許容電流の条件を満たす候補になります。

これは許容電流による一次選定です。60sqを最終採用する前に、電圧降下、過電流遮断器との保護協調、端子の許容条件、短絡時の耐量などを確認します。モーターの軸出力から計算する場合は効率も必要となり、始動時の検討も別途行います。

許容電流と電圧降下を両方確認する

許容電流を満たしていても、配線距離が長い回路では電圧降下によって、さらに大きな断面積が必要になる場合があります。負荷条件と布設条件を確定し、次の順に検討すると確認漏れを減らせます。

  1. 負荷の電圧・相数・入力容量・力率から負荷電流を求める。
  2. メーカー・電圧区分・導体・心数・布設方法に合う許容電流表を選ぶ。
  3. 周囲温度や多条布設など必要な補正を反映し、候補サイズを選ぶ。
  4. 配線距離に応じた電圧降下と、遮断器・端子・短絡条件を確認する。

計算方法や超過時の対策は幹線設計と電圧降下計算の解説にまとめています。数値を変えて概算する場合は幹線計算ツールで電圧降下を確認することもできます。このツールは許容電流・布設条件・保護協調まで含めた最終選定を行うものではないため、本記事の許容電流確認と組み合わせて使用してください。

設計前に確認する項目

  • 600Vと高圧、銅とアルミ、CVとCVT、心数を取り違えていないか。
  • 気中、電線管内、直埋、地中管路の条件が表と一致しているか。
  • 周囲温度・日射・並列配置・条数・段数・間隔を確認したか。
  • 温度補正や多条布設の低減に、重複や抜けがないか。
  • 負荷電流・電圧降下・保護協調など、最終選定に必要な条件を確認したか。
  • 採用メーカーの最新資料と、適用する規程・設計仕様を確認したか。

まとめ

CV・CVTケーブルのサイズ選定は、条件に合う許容電流表を選び、補正後の値と負荷電流を比較することから始まります。早見表で候補を絞った後は、電圧降下と保護協調なども確認し、採用する製品と実際の布設条件に合わせて決定します。

参考資料

資料確認日:2026年9月11日。上記早見表と計算例は、明記した条件での検討用です。実際の設計では採用品の資料・規程・現場条件を確認してください。

監修者

猪狩理

設備設計士

パラダイム部長