「BIM活用加速化事業」で補助金を探すと、過年度の制度や受付情報が見つかります。設備設計事務所が2026年度の活用を検討する際は、年度と制度名を確認し、建築GX・DX推進事業の最新資料から対象条件を判断してください。
ソフトを購入すれば一律に補助される、BIM導入費の一定割合が必ず戻る、といった理解では予算を組めません。ここでは、過去の記事を読む際の注意点と、申請を検討する案件で整理すべき事項をまとめます。
過年度情報と2026年度情報を分ける
国土交通省は2026年4月7日に令和8年度の建築GX・DX推進事業を開始し、7月1日に募集要領を公開しています。BIM活用と建築物のライフサイクルCO2評価を支援する事業ですが、支援の区分や案件の要件を確認して検討する必要があります。
見つけた情報 | 確認すること | 実務での扱い |
|---|---|---|
BIM活用加速化事業の過年度記事 | 対象年度、当時の受付期間 | 背景理解に使い、現在の条件に転用しない |
令和8年度の募集要領 | 対象事業、対象経費、算定方法、手続き | 今回の案件の可否を判断する根拠にする |
実施支援室のお知らせ | 受付状況、資料改訂、ソフト一覧更新 | 申請前と支出判断前に再確認する |
販売店等の案内 | 引用している制度と資料の版 | 公式資料との一致を確認する |
最初に確認するのは会社より案件の条件
自社が設備設計を担当していることだけで、補助の対象になるとは限りません。建築物の用途や事業内容、BIMを使う段階、参加事業者の役割など、募集要領に照らして案件の条件を整理します。
代表となる事業者や他分野の設計者と、誰がどの費用を申請し、どの成果物を作成するかを合意してください。同じ作業が複数者の見積もりに含まれていないか、他の補助制度と重複しないかも、対象経費の考え方に沿って確認します。
費用は見積書の項目ごとに確認する
社内のBIM予算と、補助対象として認められる費用は一致するとは限りません。ライセンス、外注、教育、社内作業などを分け、対象可否の根拠となる資料を記録します。不明な項目は、契約や購入の前に実施支援室へ確認する材料としてまとめます。
社内で整理する項目 | 記録しておく内容 |
|---|---|
ソフト・利用環境 | 製品名、利用者、期間、見積日、対象一覧との対応 |
モデル作成等の委託 | 対象範囲、数量、成果物、納品時期、変更条件 |
申請・報告作業 | 担当者、必要書類、証憑の保管先、確認者 |
自社負担 | 対象外費用、申請結果に左右されない必要費用、支払時期 |
本表は費用整理のための例であり、記載した項目が補助対象であることを示すものではありません。対象経費、上限、算定方法は年度・区分・条件をそろえて公式の募集要領で確認してください。
受付期間と支出のタイミングを別々に管理する
2026年9月26日に確認した実施支援室の案内では、令和8年度の交付申請期間は7月1日から9月30日、事業者等の登録期間は4月7日から12月31日です。登録と交付申請は同じ締切ではありません。受付状況や変更は公式のお知らせで再確認してください。
また、申請できる時期と、契約・発注・支払を行ってよい時期も同一とは限りません。工程表に、登録、申請、審査、必要な決定、契約・実施、支払、実績報告を並べ、それぞれの条件を確認します。補助金の入金を前提に、先行支出の資金を不足させないことも大切です。
設備設計事務所が用意する確認メモ
- 対象案件の名称、用途、工程、設備設計の担当範囲を整理する。
- 利用する制度の年度・区分・資料の版を記録する。
- 作成するBIM成果物と担当者、他社との受け渡しを決める。
- 費用を項目に分け、対象可否と根拠を整理する。
- 不明点をまとめ、代表事業者や実施支援室へ確認する。
- 申請後も変更、証憑、成果物、報告期限を管理する。
確認時には「設備設計に使えるか」という広い質問より、案件条件、支出項目、契約予定日、成果物を添えると、判断に必要な情報を伝えやすくなります。
補助の有無にかかわらず導入効果を評価する
補助制度を利用する場合も、導入後のライセンス更新、標準の保守、教育、品質確認は続きます。補助対象額だけで導入規模を決めず、継続費と案件の需要を合わせて評価してください。
2026年度の検討は設備設計向けのBIM補助金記事、予算の作り方はBIM導入費用の整理、導入範囲の決め方はBIM導入ロードマップも参考になります。
参考資料
制度・製品情報の確認日:2026年9月26日。実案件では申請先の案内と利用する製品バージョンの資料も確認してください。
監修者
長谷川一夫
機械設備設計部
パラダイム部長



