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設備BIMのLODをどう決める?部材別の作成範囲と情報要求の合意方法

設備BIMのLODを、単なる形状の細かさではなく利用目的と信頼できる範囲から整理。機器・配管・ダクトごとの要求、担当、期限、検収条件の決め方を解説します。

設備BIMのLOD設定ガイド|基本設計・実施設計・施工段階での使い分け
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coordination
公開日
2026年5月28日
更新日
2026年9月26日

設備BIMのLODは、数字だけで作成範囲を合意しないことが重要です。「LOD300で納品」と指定しても、必要な機器情報、接続、保温、支持、保守空間まで同じ認識になるとは限りません。

まずモデルの用途を決め、部材ごとに必要な形状と情報、作成担当、確定時期、確認方法を明示します。本記事では、設備設計者と発注者・作成者の間で要求を具体化する方法を紹介します。

LODは形状の細かさだけを示すものではない

BIMForumのLevel of Development Specificationは、モデル要素の内容や信頼して利用できる範囲を共有するための資料です。どの設計段階でどのLODに達するかを一律に定めるものではなく、案件の進行に応じて利用者が決める考え方を示しています。

同じモデル内でも、機械室の機器は具体化し、未確定の末端設備は概略のままということがあります。モデル全体に一つの数字を付けるだけでは、その違いが伝わりません。参照する仕様と版を決め、対象要素ごとに合意してください。

まず利用目的を決める

利用目的

必要になる情報の例

避けたい誤解

概略の空間検討

おおよその外形、設置範囲、主要ルート

概略形状を施工寸法として扱う

設計調整

寸法、位置、接続、他分野との取合い

モデルにない保温や点検空間も確認済みと考える

数量・機器表

分類、集計対象、機器番号、必要属性

形状があれば正しい数量が自動で出ると考える

施工・製作

施工者等が必要とする接続・製作情報

設計モデルだけで製作が完結すると考える

維持管理

機器識別、採用品、保守情報、更新方法

細かい形状だけで維持管理に使えると考える

目的が増えれば必要な情報や確認作業も増えます。後から用途が追加された場合は、作成範囲、費用、工程を改めて協議してください。

部材ごとの要求を表にする

以下は設備設計の要求整理例です。特定のLOD番号に対応する公式な定義表ではありません。実案件では採用する基準を参照し、要素ごとの必要事項に置き換えます。

要素

形状・位置

情報

確認すること

空調機・ポンプ等

外形、設置、接続口、必要な保守範囲

機器番号、能力、仕様の確定状況

配置調整と機器表の整合

ダクト

経路、寸法、接続、表現する保温範囲

系統、風量等の必要項目

天井・構造との取合い

配管

経路、径、高さ、必要な勾配

系統、材質等の必要項目

排水条件と他設備との取合い

電気設備

機器位置、盤・幹線等の必要範囲

機器番号、回路等の必要項目

点検性と他分野の空間調整

各行に、作成担当、情報を提供する担当、確定予定日、確認者を追加します。属性がまだ決まらない場合は、仮定値と確定値を区別する方法を決めておくと、後続工程での誤用を防げます。

「作らない範囲」も明示する

支持金物、フランジ、保温、末端部材、施工上の仮設など、どこまで表現するかを曖昧にしないことが大切です。対象外の要素がある場合は、その情報を必要とする確認を誰が別の方法で行うかまで決めます。

例えば保守空間をモデル化しないなら、干渉検出で点検性を確認済みとはできません。別の図面や仕様書で確認するのか、必要部分だけ空間を表現するのかを検討します。

よくある指定の問題点

「実施設計なので全部LOD350」:要素の確定状況と目的に照らして要求を具体化します。設計段階名だけで、すべての部材が同じ状態になるとは限りません。

「LOD500が一番細かい」:LOD500は既存・施工済みの状態を確認して表す位置づけとして説明され、単純にLOD400より細密という意味ではありません。確認方法や精度を含め、採用する仕様の定義を確認してください。

「LODを満たせば属性も全部ある」:必要な非形状情報は項目単位で指定します。形状と属性を別々に確認できる表にすると、納品時の認識違いを減らせます。

検収では用途を満たすかを確認する

  1. 採用した基準と版、部材ごとの要求を確認する。
  2. 代表要素の寸法・位置・属性をサンプル照合する。
  3. 図面、集計、干渉確認など予定した用途で使う。
  4. 未確定項目、対象外要素、補正が必要な箇所を記録する。
  5. 不足を修正し、後続工程で使える範囲を明示して引き継ぐ。

作成する前にこの確認方法を共有すると、必要以上の作り込みや、納品直前の追加作業を減らせます。外注する場合は設備BIM外注の見積もり条件、調整の計画は設備の干渉チェック、受領時の確認はモデルの受領チェックを参照してください。

参考資料

制度・製品情報の確認日:2026年9月26日。実案件では申請先の案内と利用する製品バージョンの資料も確認してください。

監修者

長

長谷川一夫

機械設備設計部

パラダイム部長