設備設計ナレッジ

給排水設計の法規と事前協議|水道法・下水道法・自治体基準の確認手順

給排水設計に関わる水道法・下水道法と、自治体・水道事業者の基準を整理。クロスコネクション防止、受水槽、排水先・水質・前処理、給排水協議の必要資料と図面への反映手順を解説します。

水道法・下水道法と設備設計|給排水設計者が押さえるべき法的要件と協議ポイント
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公開日
2026年4月3日
更新日
2026年9月27日

給排水の設計条件は、法律だけでは確定しません。水道法・下水道法・建築基準法の適用を確認したうえで、水道事業者や下水道管理者が定める給水方式、接続、水質、申請手続の条件を整理します。

基本計画で確認したいのは、給水の入口と排水の出口です。配水圧・引込条件・公共ますの高さが未確定のまま建物内の方式を決めると、機械室や配管ルートまで見直すことになります。

法令と地域の基準の役割

確認する内容

主な根拠・確認先

設計に残すもの

給水装置・水質・受水槽管理

水道法、関係政省令、水道事業者、衛生担当部署

給水方式、使用材料、管理区分

排水接続・排水設備・水質

下水道法、下水道条例、管理者の設計基準

接続先、系統、前処理、申請図書

建物内の配管・貫通

建築基準法、告示、採用工法

衛生措置、区画貫通詳細、維持管理空間

工事・検査の手続

指定工事事業者制度、各管理者の申請要領

申請者、期限、検査、完成図

法律上の要求、自治体の運用、設計上の推奨は分けて記録します。ある地域の許容階数や管径を、他地域でも使える条件として流用しないでください。

給水協議で最初に確認すること

  1. 用途、使用人数、器具、使用時間から計画使用水量を整理する。
  2. 前面配水管の位置・口径と、設計に用いる配水圧の確認方法を問い合わせる。
  3. 直結直圧・直結増圧・受水槽の適用条件を確認する。
  4. 引込管、メーター、逆流防止、点検・交換空間を協議する。
  5. 工事区分、申請・検査、費用負担、工程上の制約を整理する。

東京都水道局の申請書式にも、直圧給水の事前調査や増圧設備の調査等が用意されています。必要手続は管轄事業者の最新版で確認してください。東京都水道局「給水装置工事の申請について」

方式ごとの比較は給水方式の選定フローで扱っています。方式決定後に、圧力計算と機器配置を更新します。

クロスコネクションは逆止弁だけで解決しない

飲用系統と井水・雨水利用水・冷温水等の別系統を直接接続しないことが基本です。逆止弁があっても、飲用系統と飲用以外の系統を接続していればクロスコネクションになります。切替弁やバイパスを含め、通常時だけでなく故障・操作時のつながりも確認します。東京都健康安全研究センター「給水・給湯管理Q&A」

受水槽や機器への給水は、該当する構造・材質基準、吐水口空間、逆流防止の方法を確認します。吐水口空間を「口径の2倍かつ25mm」のような一つの式ですべてに当てはめず、吐水口径、壁との距離、水受け容器、汚染のおそれ等に応じた適用表を照合してください。

受水槽は容量と管理区分を一緒に決める

水道事業から供給される水だけを水源とし、専用水道等に該当しない受水槽方式では、有効容量の合計が10m³を超えるかなどが簡易専用水道の判定に関わります。槽の外形容量だけで判断せず、水源・系統・有効容量を衛生担当部署へ確認します。定義は水道法第3条と関係政令を確認してください。

清掃、点検、検査を実施できる構造と動線も必要です。容量だけを確保して周囲や上部に作業空間がない計画にしないよう、点検・蓋開放・部材交換・搬入を断面図で照合します。小規模な槽でも地域の衛生管理基準を確認します。算定は受水槽・高置水槽の容量計算を参照してください。

排水協議は接続先・水質・前処理をセットで行う

公共下水道の合流式・分流式、公共ますの位置・管底高さ、接続方法、排水量の条件を確認します。公共側の分流式は汚水と雨水を分ける方式です。建物内の便所排水と生活雑排水の分離とは区別します。汚水・雑排水・雨水の違いも確認してください。

飲食店・工場・実験施設等では、排水の性状と時間変動を把握し、水質基準・特定施設の届出・除害施設等の要否を確認します。BODや油分等の一つの数値表を、すべての排水へ全国一律に適用しないでください。対象施設、排水量、排除先、条例の条件によって照合すべき規定が変わります。

横浜市では排水設備の新設等について、計画確認申請と法令・条例への適合確認を案内しています。所在地の管理者へ、着工前に必要な図書と手続を確認しましょう。横浜市排水設備要覧

協議結果を図面へ反映する

図書

確認事項

配置図

引込・メーター・公共ます・放流先・作業動線

系統図

水源の分離、給水方式、排水区分、前処理

断面図

管底高さ、勾配、点検空間、搬入・更新

仕様書・詳細図

管材、接合、衛生措置、防火区画貫通

協議記録

条件、回答日、担当部署、未確定事項、変更時の再協議

防火区画貫通は、区画と管材・口径に応じて、法令・告示に適合する仕様や認定工法の条件を照合します。すべてを「大臣認定工法のみ」とまとめず、採用する仕様の根拠を記載してください。配管の建築基準法チェックへつなげて確認すると、衛生と防火を整理できます。

給排水の事前検討では、敷地資料、用途・器具表、台帳、既存協議記録をそろえることが出発点です。給排水設備の設計について相談する

監修者

長

長谷川一夫

機械設備設計部

パラダイム部長

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