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接地工事の種類と設計|A種・B種・C種・D種の違い、接地抵抗値と判断例

A種・B種・C種・D種接地工事の対象と接地抵抗値を比較表で解説。三相200Vと400Vの判断例、D種100Ωと条件付き500Ωの違い、B種の計算例、接地線の太さと構造体接地の確認点を整理します。

接地工事の設計ガイド|A種〜D種接地の使い分け・接地抵抗値・構造体接地の活用を徹底解説
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公開日
2026年4月20日
更新日
2026年9月11日

接地工事とは|機器の電圧と接地する箇所で種類を選ぶ

接地(アース)工事は、電気設備を大地と電気的につなぐ工事です。漏電や異常電圧に対する保護を支えますが、接地だけですべての感電・雷・ノイズを防げるわけではありません。保護装置、等電位ボンディング、配線経路などを目的に応じて組み合わせます。

D種接地工事は、使用電圧300V以下の低圧機器の金属製外箱・鉄台などに用いる接地で、接地抵抗は原則100Ω以下です。300Vを超える低圧機器はC種、高圧・特別高圧機器はA種が基本です。変圧器の低圧側中性点などに施すB種は、機器の外箱を接地するA・C・D種と目的・接続箇所が異なります。

A種・B種・C種・D種の比較表

種別

代表的な対象

接地抵抗の基本値

A種

高圧・特別高圧機器の金属製外箱・鉄台など

10Ω以下

B種

高圧・特別高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点など

150/Ig Ω以下。所定の遮断条件による特例あり

C種

使用電圧300Vを超える低圧機器の金属製外箱・鉄台など

10Ω以下。所定の地絡遮断条件では500Ω以下

D種

使用電圧300V以下の低圧機器の金属製外箱・鉄台など

100Ω以下。所定の地絡遮断条件では500Ω以下

Igは変圧器の高圧側または特別高圧側の電路の1線地絡電流(A)です。表は代表例であり、機器ごとの個別規定や接地省略の条件をすべて示すものではありません。接地の種類と対象はサンコーシヤ「接地の種別」、抵抗値と特例は日本電気技術者協会「電路の絶縁と接地」を参照して整理しています。根拠となる電技解釈は第17条・第29条等です。

D種接地工事の100Ωと500Ωは何が違う?

D種の接地抵抗は原則100Ω以下です。一方、その低圧電路に地絡が生じた際、0.5秒以内に自動的にその電路を遮断する装置を施設する条件では、500Ω以下とすることができます。C種についても同じ地絡遮断条件の特例があります。

「漏電遮断器が付いている」という情報だけでは、特例が成立するとは判断できません。対象電路、装置の種類、動作時間、設定と仕様を確認します。これは接地を省略できるという意味ではなく、接地抵抗の上限に関する条件です。

判断例:D種接地の測定値が180Ωだった場合

原則の100Ω以下を採用する設計なら、180Ωは基準を満たしません。0.5秒以内の地絡自動遮断という特例条件を確認でき、設計仕様もその条件を認めている場合に限り、500Ω以下との比較ができます。測定後に都合のよい上限へ切り替えず、採用根拠を計画段階で明記します。

200V・400V・受変電設備の判断例

検討対象

基本となる接地

判断の理由

三相200Vポンプの金属製外箱

D種

動力機器であっても、使用電圧が300V以下の低圧

三相400Vポンプの金属製外箱

C種

使用電圧が300Vを超える低圧

単相100V機器の金属製外箱

D種

使用電圧が300V以下の低圧

6.6kV高圧機器の金属製外箱

A種

高圧機器の非充電金属部

高低圧変圧器の低圧側中性点

B種

高低圧混触時の低圧側電位上昇への対策

上表は接地を要する外箱等についての基本判断です。二重絶縁、施設場所、機器の構造などに関する個別条件は別途確認します。単相・三相、電灯・動力という呼び方だけでは種別を決められません。また、300V以下・超の判断を、対地電圧だけに置き換えないよう注意します。

受変電設備では、同じ盤の周辺にA種とB種など異なる目的の接地が存在します。構成機器の把握には単線結線図の読み方、全体像にはキュービクルの構造と構成機器もあわせてご覧ください。

B種接地抵抗の計算例

B種は高低圧の混触時に低圧側へ危険な電圧が及ぶことを抑えるための接地です。基本値は、1線地絡電流Igで150を割って求めます。

基本となる上限 R=150/Ig(Ω)
計算例としてIg=5Aとすると、R=150/5=30Ω以下です。ここで用いる5Aは例示値であり、変圧器容量や低圧側負荷電流から代用する値ではありません。

高圧側、または使用電圧35,000V以下の特別高圧側と低圧側との混触によって低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、所定の装置で高電圧側電路を自動遮断する条件では、1秒を超え2秒以内なら300/Ig、1秒以内なら600/Igという特例があります。Ig=5Aなら計算上はそれぞれ60Ω、120Ωです。

実案件では供給系統の条件、1線地絡電流、適用する遮断装置と時間を確認し、必要に応じて一般送配電事業者と協議して設計値を決定します。B種の特例を、C・D種の0.5秒以内という条件と混同しないでください。

接地線の太さ|直径mmと断面積mm²を区別する

接地抵抗が小さくても、接地線の機械的強度や事故電流に対する条件が不足してよいわけではありません。太さを記すときは、単線の直径と導体断面積を区別します。

種別

軟銅線の直径で示される基本値

選定時の注意

A種

直径2.6mm以上

所定の引張強さを持つ金属線等の規定も確認

B種

原則として直径4mm以上

対象変圧器等の特例と、容量・保護条件に応じた選定を確認

C種・D種

直径1.6mm以上

遮断器など回路の条件に応じ、必要な太さを選定

基本値はホクデン「接地工事の種類」の接地線欄で照合できます。これは実施設計で使う接地線サイズを一律に決める表ではありません。「直径1.6mm」を「1.6mm²」と読み替えたり、B種をすべて同じ断面積としたりせず、電技解釈・内線規程・設計仕様・機器の指定を確認します。

接地抵抗の確保と構造体接地

土壌・接地極・測定条件を確認する

接地抵抗は土壌の状態、接地極の形状・深さ・配置などに左右されます。設計では地盤条件を調べ、棒状・板状・網状の接地極、深い地層の利用、低減材などを比較します。並列に接地極を増やす場合も、相互の影響があるため、本数に反比例して抵抗が下がるとは限りません。

接地極の離隔や埋設方法は、接地種別と採用工法を踏まえて決めます。「異種接地は一律2m離せばよい」「接続部はすべて同じ方式でよい」という扱いは避け、材料、接続部の耐久性、点検・測定の方法まで図面と仕様書に残します。

構造体接地は電気的連続性と適用条件を確かめる

建物の鉄骨・鉄筋等を利用する接地は、基礎工事に合わせた計画が必要です。構造担当と接続・引き出し位置を調整し、電気的連続性、接地抵抗、測定用の端子、補助接地の要否を確認します。構造体を利用すれば必ず1Ω以下になる、A〜D種を無条件に共用できる、という意味ではありません。

接地の共用、雷保護、通信機器の機能接地は、それぞれの要求を整理して全体を計画します。雷保護設備を単に「A種相当」で済ませたり、ノイズ対策のために保護接地を切り離したりせず、適用規格とメーカーの接続条件を確認してください。

設計・引き渡し前のチェックリスト

  • 使用電圧と接地する箇所から、種別と個別規定を確認したか。
  • 200V動力機器を、動力という理由だけでC種にしていないか。
  • 100Ω・10Ω・500Ωなどの採用条件を図面に記載したか。
  • B種の1線地絡電流と遮断条件を確認したか。
  • 接地線の直径・断面積、保護装置との関係を確認したか。
  • 構造体接地や共用接地の条件を関係者間で整理したか。
  • 完成時に接地抵抗・導通・保護装置の動作を確認し、記録したか。

接地工事の基本は、種別の名称を覚えるだけでなく、対象電路・抵抗値・接地線・保護装置を一組として確認することです。ケーブルの選定はCV・CVTケーブルの許容電流早見表も参照し、接地線の選定とは分けて検討します。

参考資料

資料確認日:2026年9月11日。比較表・判断例は設計上の基本整理です。実際の適用は最新の電技解釈、個別規定、採用機器・工法の条件を確認してください。